ガス漏れで消防車の出動

道路向かいの家のお父さんから、急に電話がきました。しかし、ガス、の一言以外は早口でさっぱりわかりません。道路にすぐ行きます、と伝えて急いで行ってみると、

(出動した消防車)

びっくりです。消防車が出動してきていました。ルーマニアのは初めて見ました。Pompieriiと言います。大きいです。後ろの大きな箱の上に伸縮するはしごが載ってます。

署員の方が5人も来ていて、私の家の通路にあるガスメーターを指差して何か言っています。

これは一昨年までは、ずっと奥にある家の壁についていた古いものを、ガス会社が新しいものに交換し、さらに家主に聞かずに勝手に道路ぎわへ移したものでした。

署員の方も、こちらを見て早口に言っているので、聞き取れません。

おそらく屋外で匂いがするほどのガス漏れがあったのでしょう。消防署にガス漏れを通報したのは、向かいのお父さんのようです。署員に状況を説明していていました。

コロナウイルスの感染以来、臭覚がかなり鈍っていて、今回も匂いはさっぱりわかりません。すでに署員の方が、本管に直結する部分でコックを閉めていました。

そもそも天然ガスは空気より軽いので、屋外なら少々漏れても、すぐに上に拡散して、匂いは感じにくいでしょう。昨年の地震の後でも、屋内のボイラーのガス漏れすら感じなかったほどです。

さらに署員の方は、屋内のガス器具のコックを閉めてきなさい、とも言っていて、ついでに私のIDカードを持ってくるよう言いました。

IDカードなどどうするのかと思ったら、ガス漏れの状況報告書を作ってあって、それにサインするのに必要でした。

そしてそれが終わったら、近隣の家のガスメーターをチェックしています。ガスのメーターは全て、道路の地中管から各家庭へパイプを立ち上げたところに設置してあるので、チェックは簡単です。

ガス漏れはやはり私の借家のところだけでした。書類の作成が済むまで、署員の方々は、何事かと道路に出てきた近所の人たちと話しています。

自動車や歩いて行く人も通りかかるので、私の家の入り口前に止めてある消防車を見て、何があったんだ? とこちらを見ていきます。

書類が終わったので、ガスはいつ復旧しますか? とつたないルーマニア語で聞くと、待っていて Asteptati と言うだけです。そしてガス会社へ署員の方が電話して終わりました。

ほどなく、ガス会社の緊急出動の自動車が来て、前回の地震の後のガス漏れを修理したのと同じ社員の方が来ました。ああ、またここか、と言った顔をしています。

(ガス漏れ修理)

結局ガス漏れは、私の借家だけが原因で、それもメーターより家側の敷地にあるパイプでした。メーターへの配管を外すと、写真にある通り、下のパイプの位置がメーター側に移動しています。

これで、上のメーターへの接続に負担がかかったのでしょう。家への配管はメーターの位置を会社が勝手に道路ぎわへ移した時の、古いボコボコのままのです。

地震の時もここの配管を地元の業者がチェックしたはずなのですが、チェック用の機械がかなり古かったためか、漏れを検知しません。その時の修理の後でも微量の漏れは続いていました。

修理はパイプの接続をやり直して、メーターをチェックして終わりです。

地震の後の時も、修理後には、メーターをその時だけ見ているだけではわからないほどの微量な漏れで、家側のガスの元栓を閉めて数時間から半日ほどして再度メーターを見ないと、発見できないほどでした。

本来、メーターから家側の配管は全て家主の修理負担なのですが、修理にきた社員の方は、事情を知っているので、何の請求書も置いて行かず、それを後で家主にメッセージで伝えたら、大喜びでした。

何しろ地震の時も大した修理でもないのに、330レイ(約9543円)もガス会社に請求されて、憤慨していて、もう何かあってもガス会社には連絡しない! と言っていたほどです。

さすがに消防署が来ているのためか、ガス会社の方も念入りに修理し、メーター周りの配管も再度、全部を締め直していました。

さて、この時の修理がきちんとできたかどうかは、翌日に、ガスの使用を数時間止めて、その前後にメーター数をチェックしないとわかりません。

今日、それをして見たら、漏れは無くなっていて、数時間経っても、最小目盛りの0.2立方ミリメートルすらも動いていませんでした。

それを昨日と同様に家主にメッセージで伝えると、ガスメーターを会社が勝手に移動した時に、適当に繋いだに違いない、とまた憤慨しています。

このことで、屋外で匂いがするほど大量にガスが漏れた時は、消防署に連絡してもいいとわかりました。

偶然に近所の方が漏れを匂いで見つけてくれたので、とても助かりました。自分では、メーターから家まで細い私道が250mもあるので、何か用があって出かけることでもないとわかりません。

もしも、そこで不運にもタバコとか花火とかの火があったら、引火して爆発していた可能性もありました。

そしてさらに、家で火事になったとしても、どうやってもあの大きな消防車が細くて長い私道を入れなこともわかったので、家の火事は何があっても起こしてはいけないこともわかりました。やれやれ、です。